著作権、肖像権も明快に。シュートだけじゃないドラマを写真で伝える

一般社団法人日本ハンドボールリーグ

事務局長 松井 隆様

ハンドボールの日本代表選手の育成や競技力向上を担う一般社団法人日本ハンドボールリーグ(JHL)様は1976年に創設。「すべての人にハンドボールを」を合言葉に大会の運営・管理から放送などの各事業を手掛け、同競技の振興に尽力してきました。インフォトは、2020年秋から各シーズンの撮影を担当し、試合の躍動感や感動を伝えるためのサポートを続けています。どんな写真が必要で、それをどう生かすのか。「“マイナースポーツ”ならではの悩みや戦略がある」とJHLの松井隆事務局長は言います。インフォトと組み、どんなハンドボールの未来をつくっていくのか、話を聞きました。

■クリーンな法人格にまた一歩近づけた

 

JHLにはいま、北は宮城から南は沖縄まで、男子12チーム、女子11チームの計23チームが加盟しています。私たちの事務局としてもオフィシャルカメラマンを数人抱えていますが、年間200試合以上あるなか、全ての試合の撮影となるとカバーしきれない状況にありました。実業団の広報の方が来られるときもありますが、体制が整っていないクラブチームの場合はカメラマンを用意できません。一方で、こちらからも地元新聞社などのメディアに向けて画像素材を用意し、積極的にハンドボールを世の中に発信したい思いがありました。

 

そんなとき、アマナのサービス「インフォト」を知りました。現在は契約して3シーズン目で、年間の試合のうち4分の1ほどの撮影をお願いしています。実際にサービスを利用してみるとアマナが間に入ることで、事務局の人手不足に加えて大きな問題だった著作権の管理も明快になりました。これは大きなメリットです。それまでは写真素材の権利がカメラマン側にあるのかJHL側にあるのか、非常にあいまいでしたので。いまではルールに基づく運用が徹底されつつあり、選手たちの肖像権侵害も減り、選手やチームの価値を保つことができていると感じています。

 

JHLは2021年3月まで、公益財団法人日本ハンドボール協会下でリーグ事務局を編成し、リーグ戦を実施していた任意団体でしたが、それ以降は法人格を持ち一般社団法人として運営しています。これまでのように「曖昧な状態」ではなく、どのような責任がどちらに発生するかが明確になることで、クリーンな法人格により一歩近づけたと実感しています。

 

事務局の業務も改善されましたね。オフィシャルカメラマンのみが稼働していたときは、ホテルの手配などを含めて皆さんを現地に派遣するための手続きや、カメラマンの皆さん自身への負担がありました。ですがインフォトは全国にパイプを持ち、スポーツカメラマンという特殊なプロを各地で手配できる。チーム数が多くなってくると、カバーできないエリアも増えてきます。
当然、今まで撮影されてきた方々は、平日は別の仕事に従事され週末の試合にご協力いただくデュアルの方がほとんどですが、大変技術も高いですし、なによりハンドボールという競技への愛情にあふれています。インフォトとの連携は試合数やチーム数が増えるにあたってチーム平等に撮影を展開し、確実に納品していただけるのは、こちらにとって精神的にもありがたいです。

 

■選手だけじゃない。それぞれにドラマがある

 

では、実際にどんな写真が必要なのか。一般的に「スポーツ写真」と聞くと選手の迫力ある動きを収めたものを想像する人が多いと思います。もちろんそうした写真も大事ですが、さまざまな制作物に使うためには会場の風景や来場したご家族の後ろ姿を写したものもほしい。さらにいえば、試合を公平に裁こうとするレフェリーの真剣なまなざしもそうです。

 

スポーツには選手から観客、審判員までそれぞれにドラマがあります。その魅力を余すことなく伝えるためには毎試合、欲しい素材も異なります。求めるものが次々と変わるなかでアマナが杓子定規的ではなく、柔軟に対応してくれたのはすごくありがたかった。状況に合わせてフレキシブルに態勢を変えられるのも、インフォトの魅力の一つでしょう。担当者とは「こんな構図でいいのか」「もうちょっとこういう写真を撮れないか」と日々やり取りしています。

 

最初に苦労したのは、撮ってほしい選手が誰なのかをカメラマンに伝えること。何を撮るか、誰を撮るかが理解できていないとどうしてもスポーツという風景撮影になってしまう。
これは「マイナースポーツ」の宿命といいますか──。例えば「サッカーのカズ」と言えば日本の多くの人が三浦知良さんを思い浮かべます。ところが有名ハンドボール選手の名前を出しても、なかなか伝わらない。年間プログラムや選手のリストをアマナに渡して、この人が日本代表ですよとか、本来おさえるべき選手が試合出場できなかった場合の対応も含め、意思疎通を図りました。

 

■業界の新たな展開には写真の力が不可欠

 

とはいえ「マイナーだから」と自虐していても状況は変わりません。ハンドボールのステータスを上げていくために今後もさらなる工夫を重ねたいと思います。
例えば、選手がロッカールームを出るときなど、普段は見ることのできない瞬間にフォーカスを当てるのもその一つ。選手の素晴らしいパフォーマンスは極端な話、映像や会場で観戦すれば脳裏に焼き付きます。ですが見えない部分はそれだけに価値があり、選手の物語を浮かび上がらせます。結果それがファンを増やし、メジャーへの道につながるかもしれません。
各選手や監督、チームスタッフ、レフェリー、ご来場いただく観客やボランティアスタッフなど関わる全て人の「らしさ」をどうフレームに収めるか。これからの課題です。それはきっと、選手が引退するときと同じように、レフェリーや運営役員にも離れるタイミングがあり、そういったときに存在感が示されると思っています。

 

JHLではいま、画像データを可視化してわかりやすく管理できるアマナのクラウドサービス「shelf(シェルフ)」とインフォトを連動させて1次元的に活用していますが、運営側を持続可能にしていくためBtoC(消費者向けビジネス)を見直し、ゆくゆくは写真や映像を売り上げに変える枠組みもこれらのサービスを応用してつくりたいと考えています。

 

そのためにはいっそう写真の力が重要になってくる。今後もアマナと二人三脚でハンドボール業界のよりよい環境を構築していけたらと思います。

※2022年07月取材時の情報です。
PHOTO:Takefumi Taniguchi

日本ハンドボールリーグ (画像:JHL提供)

日本ハンドボールリーグ (画像:JHL提供)

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