コロナ禍で希薄になったコミュニケーションを補完するイベントを

深潟­­ 様：日本ゼオンでは2030年のビジョンとして「社会の期待と社員の意欲に応える会社」を掲げ、そのビジョン実現に向けた人事戦略では「個々の強みを発揮できる『舞台』づくり」に取り組んでいます。

「個々の強みを発揮できる『舞台」づくり」の一つとしては、本社を中心としたテレワークの推進があります。これは新型コロナウィルス感染対策のみならず、「時間と場所に拘らない働き方の実現」の観点で推進しているものです。しかしながら、コロナ禍と向き合う3年間で業務面だけでなく、対面での会社行事や懇親機会も激減しました。会ったことのない新人が増え、他部署との接点も少なくなったという声が聞かれるようになりました。当社がこれまで大切にしてきた社員間のつながりにも影響が出てきました。が。そこで社内コミュニケーションの再構築として岩﨑が提案してきたのが社内撮影会です。

岩﨑 様：最初は社員の顔と名前を一致させるための撮影が目的でしたが、単なる証明写真ではなく個性が伝わる写真にすれば話しかけやすくなり、コミュニケーションにつながるのではと考えました。もう一つの目的は撮影会そのものを、イベント感覚で楽しんでもらうことです。社員に非日常の感覚を味わってもらいたくて、プロカメラマンとヘアメイクの方に来ていただく企画を立てました。

プロならではの提案力と柔軟な対応

岩﨑 様 ：プロフィール写真の撮影に実績を持つ企業をインターネットから調べ、何社かにお問合せをしたうえでアマナさんに依頼しました。決め手は提案力と柔軟な対応力です。提案力は「人となりが分かる写真を」というややぼんやりした依頼に、見た目の印象を変える背景紙のカラーや企業色が際立つオリジナルのライティング、遊びが感じられる影の入れ方などプロならではの演出案をたくさんいただきました。

 対応力は一日に80名の社員を撮影し、かつイベント感覚で楽しんでもらいたいという要望に、カメラマンは2人体制で撮影中の雑談多めの時間配分を対応していただき、とてもありがたかったです。

深潟 様：最初に岩﨑から提案書を見せられたとき、プロのヘアメイクまでつけることはやり過ぎではないかと思いました。しかしイベント感覚で楽しめ、イキイキとした表情が引き出せるのなら「なるほど、良い発想だな」と思いました。ただ、当社は控えめな社員も多いので、募集してもどのくらい集まるのかが心配でした。

岩﨑 様：実は私もそこを一番心配していました。本社には幹部職が多く社員の平均年齢も高めなのですが50歳代の33％を筆頭に、30〜40歳代が23〜24％、20歳代と60歳代が10％ずつと広い世代の社員に参加してもらいました。

ベテラン社員ほど味わいある写真に

岩﨑 様：撮影に先立ちテスト撮影も含めたロケハンを行うなどさすがプロフェッショナルという動きで、事前準備から撮影当日の後片付けまで安心してお任せできました。参加した社員全員とても楽しそうで、最初は慣れない環境で緊張した表情でしたが、時間がたつにつれ表情が柔らかくなり、納品された写真も最初と最後では全然表情が違っていました。私自身も撮影していただきましたがとても楽しく、仕上がりは「奇跡の一枚」というほど満足しています。若い社員のはつらつとした表情はもちろん、ベテラン社員にもライティングの効果で俳優のように渋く味わいのある写真がたくさんありました。

深潟様：男性陣は日頃機会がないだけにノリノリでポーズを決めていましたね。非日常かはともかく普段とは違う柔らかい表情が見られました。

まだまだ在宅環境が続く中、フェイスオフのリモート会議が写真一枚で一気に華やかになりました。プロフィール写真からフェイスオンになるギャップを笑い合うなど和む場面も増え、コミュニケーションを補完する目的は十分達成できたと思います。

岩﨑 様 ：今後も時間をかけた社員全員の撮影を考えているので、今回の経験を活かして次回の撮影に臨みたいと思います。

深潟 様：個人のプロフィール写真だけでなく、研修をはじめチームビルディングを目的とした活動にもプロのカメラマンに来ていただき、共同作業の表情を撮ってもらえば、士気を挙げる効果がありそうですね。

※2023年5月取材時の情報です